石綿業務に従事されていた労働者の皆様または労働者の御遺族の皆様へ

お知らせ

厚生労働省では、石綿にさらされる業務(以下「石綿業務」といいます。)に従事し ていた労働者(離職者を含みます。)に関する健康管理対策及び労災補償等に積極的に 取り組んでいるところです。
下記事項のいずれかに該当する方は、健康管理手帳又は労災補償等の対象になります ので、最寄りの労働基準監督署又は都道府県労働局への相談又は手続を必ず行ってくだ さい。
なお、御不明な点がありましたら、最寄りの労働基準監督署又は都道府県労働局へお 問い合わせください。

1.石綿健康管理手帳制度(都道府県労働局への相談・申請をお勧めします。)

(1)石綿を製造し、又は取り扱う業務に一定期間以上従事していた方(※)

    1. 石綿の製造作業、石綿が使用されている保温材、耐火被覆材等の張付け、補修もしくは除去の作業、石綿の吹付けの作業又は石綿が吹き付けられた建築物、工作物等の解体、破砕等の作業に1年以上従事。(ただし、初めて石綿の粉じんにばく露した日から10年以上経過していること。)
    2. 上記の作業以外の石綿を取り扱う作業に10年以上従事。

(2)石綿を製造し、又は取り扱う業務(直接業務)だけでなく、同じ作業場内で石綿を直接取り扱わない業務(周辺業務)に従事し、一定の石綿ばく露の所見がある方(平成21年4月1日から対象)

※石綿健康管理手帳の対象となる方は、転職又は退職し、現在は石綿に係る業務から離れている方となります。

2.労災補償・特別遺族給付金制度(労働基準監督署への相談・請求をお勧めします。)

(1)石綿業務が原因で肺がんや中皮腫等の疾病が発症した方やそれらの病気により死亡された労働者の御遺族
(2)平成28年3月26日までに石綿による疾病により亡くなった労働者の御遺族で時効により労災保険の遺族補償給付を受給することができない方。

健康管理手帳(石綿)について

石綿業務に従事していた方については、将来、肺がんや中皮腫などの健康被害が生 じるおそれがあります。これらの疾病については、石綿にさらされてから発症までの期間が非常に長く、離職後に発症することが多いため、健康管理手帳制度を設けて、離職後の健康管理を行っています。
健康管理手帳の交付を受けると、指定された医療機関で決まった時期に、健康診断を 6ヶ月に1回、無料で受けることができます。
なお、平成21年4月1日から健康管理手帳の交付対象が拡大され、石綿を製造し、又は取り扱う業務(直接業務)だけでなく、 同じ作業場内で石綿を直接取り扱わない業務(周辺業務)に従事し、一定の石綿ばく露の所見がある離職者の方も対象となります。

申請手続き

労働者が離職する際は事業場を管轄する都道府県労働局に、離職の後は、労働者の住居がある都道府県労働局に対して所定の申請書を提出していただくことになります。申請手続きや制度に関するご相談は、最寄りの都道府県労働局において受け付けていますので、お気軽にご相談ください。

労働保険給付及び特別遺族給付金について

労災保険給付

石綿業務が原因で中皮腫や肺がん等の疾病を発症した労働者の方は、療養補償  給付や休業補償給付等の必要な保険給付を受けることができます。  また、石綿による疾病が原因で亡くなった労働者のご遺族に対しては遺族補償給付等が支給されますが、遺族補償給付を受ける権利は労働者が亡くなった日の翌日から5年で消滅します。

特別遺族給付金

平成28年3月26日までに石綿による疾病により亡くなった労働者のご遺族で労災保険の遺族補償給付金を受ける権利が時効(5年)によって消滅した方に対し支給されます。
特別遺族給付金はご遺族の状況に応じて、年金又は一時金が支給されますが、年金については請求日の属する月の翌月分から支給されますので早期の請求をお勧 めします。
なお、請求期限は、平成24年3月27日までとなっています。

周知・請求勧奨の必要性

  1. 石綿による疾病は30年~40年という長期間を経過した後に発症することが多いためです。
  2. 石綿は多くの業種・作業で使用されるとともに、間接ばく露でも発症するおそれがあること等から、患者本人も石綿関連疾病の原因が過去の石綿業務にあることに気付かない場合があり、労災保険給付等の請求もしていないこともあるためです。

請求手続き

労働者の方が最後に石綿業務に従事した事業場を管轄する労働基準監督署に対して所定の請求書を提出していただくことになります。
ただし、 請求手続きや制度に関するご相談は、最寄りの労働基準監督署や都道府県労働局において受け付けていますので、お気軽にご相談ください。

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